あおい本棚

主に本、たまに漫画や映画の感想です

『ハッピーリフォーム』 未上夕二

2022/05/13

ハッピーリフォーム
未上夕二
分類: 913


木之本工務店で働く、建築士のさくらの話。
もともとさくらの父親も設計士で、さくらは父親が亡くなったあと家の借金を返すため高校を卒業してすぐに働き始めました。

さまざまなリフォームの相談がもちかけられてきて、それに対してさくらは「みんなで幸せになりましょう」とプランを提案します。


途中、弟が借金をしてこっそりバイトをしていたり、父親が亡くなってから精神的に不安定になっていた母が家出したり、父親に借金を負わせた人物を突き止めたりと……それなりにドラマはあります。

どの相談も最後はめでたしめでたし、という感じで綺麗に収まっていました。



ただ…基本的には、小学生とかが読むようなお仕事の紹介漫画の延長みたいなものかな、と感じました。

小説としては今ひとつ物足りなかったというか……

あとは個人的に、さくらの言うことが綺麗事ばかりに聞こえて、フィクションとはいっても少しうさんくさい感じがしたのでなんとなく好きになれなかったです。
たぶん私がひねくれてるからそう思うだけなんですけど笑


警察とか医師とかは、それをテーマにした小説が色々ありますよね。刑事物とか医療小説とか。
ただ建築士をテーマにしたのはあんまり見ないから、余計に違和感があったのかもしれません。

そういえば前に同じように建築士が主人公の「ノースライト」を読みましたが、なんだかあれもしっくり来なかったです。
建築士という仕事自体は、私にとって結構身近なものではあるんですが……相性の問題?


余談ですが、最初にこの本を見た時、作者の方の名前を完全に読み間違えていました。
「夕二」って書くから、「たに」と読むんだと思ってたんです。

それがまさかの「ゆうじ」!!

でも言われてみれば確かにそうだ!
普通にカタカナとして読んでました……同じ勘違いをした人、必ずいると思います!!