『まだ温かい鍋を抱いておやすみ』 彩瀬まる
2022/05/05
まだ温かい鍋を抱いておやすみ
彩瀬まる
分類: 913
食べ物が関わる、やさしい話の短編集。
女性の話が多かったかな…結婚とか家庭とか、ライフスタイルの変化とか。
「たべること」ってすごいな、って思いました。
元気が出るし、生きていけるし…肉体的にも精神的にも、自分の根本に強く影響するんだなと。
印象に残ったのは「かなしい食べ物」。
あるカップルが主人公なんですが…
最初、すごくふわふわしてて、優しくて、愛しいという言葉がぴったりな感じの日々が語られます。
こんなにも幸せな日々を送っているのに、タイトルが「かなしい」だから、この幸せが壊れてしまうんじゃないかと思ってめちゃくちゃ怖くなってしまい、ハラハラしながら読んでました。
最終的には笑って終われる結末だったのでほんとによかった。
他にも、子どもを亡くして傷ついた友人を半分拉致?して毎日ご飯を食べさせたり、自分の「中」に鳥を飼っている鶏肉を食べない不思議な女性が出てきたりと…
どれもなんだか笑えて、癒される話でした。