『黒部源流山小屋暮らし』 やまとけいこ
2022/02/20
黒部源流山小屋暮らし
やまとけいこ
分類: 786
どうでもいいんですが、この本の作者さんの名前は「やまとけいこ」さんで、出版社は「山と渓谷社」。
最初この作者さんのための出版社かと思ってびっくりしました。でも歴史古いから違いますね。
ほんとにたまたま偶然この名前なのか、それとももじってるのか……どっちなんだろう。
偶然だったらなかなか面白い出会いですね。でも漢字も載っていたような気がするから偶然かな…
舞台は黒部川源流、北アルプスの奥地。
県でいうと富山県です。その東側で、岐阜と長野の県境に近いあたり。
黒部源流にあるいくつかの山小屋のうち薬師岳小屋で働いているのがこの作者さん。
そこで小屋開けから小屋閉めまでに起きる色々な出来事のお話です。
さらっと読めるけど、面白くて引き込まれます。
電波もほとんど届かず食料も数回配達されるものだけで数ヶ月を乗り切るというなかなか過酷な生活ですが…それ以上に面白さもあるようです。
たとえば、6月ごろに小屋を開けると昨年保存しておいた食料が全部テンに食われていたという話。
山小屋の人からみたらショックなんだと思いますが、テンのイラストが可愛くて憎めないです。
そのほかにもクマが現れたり超速で荷物の片付けをしなくてはいけなかったり、ハイシーズンのご飯の支度は一回戦・二回戦というくらい「戦い」だったり……
色々と大変そうに見えるけど、作者さんたちはそんな戦いやトラブルを楽しんでいるようにも見えます。
あと地味に面白かったのが山小屋の新人バイトの子が掃除機の使い方を間違えるところ。
業務用っていうのか、ビールサーバーを大きくしたような本体と吸い込み口が別になっているやつなんですが、新人くんは使い方がわからず吸い込み口をつけずに電源を入れて、吸い込み口をつける部分で吸い込もうとしてしまいます。
ほんとにちょっとしたことなんだけどこれが個人的にはめちゃくちゃ面白かった。山小屋全然関係ないですね。
あとちょっと魅力的だったのが、山小屋の常連さんがお酒とか秋刀魚とかを担いで差し入れをしてくれること!
山の上で秋刀魚を焼いて食べるなんて最高すぎる!
これはとにかくいいなーという思いでした笑
あと外のテラスでお昼寝するのも…最高の癒しになりそう。
もちろん山は危険なこともあるので、するべき準備はちゃんとしないといけないですが、すぐにでもちょっと山に、山小屋に行ってみたいなーと思う一冊でした。