『オン・ザ・ロード』 ジャック・ケルアック/青山南(訳)
2022/04/21
オン・ザ・ロード
ジャック・ケルアック/青山南(訳)
分類: 933
いい意味で、イカれた本。
麻薬にドラッグに大麻に、盗難にスピード違反に…もう不良のオンパレードです。
主人公で物書きのサル(猿じゃなくて、名前です)が、ニューヨークから主にカリフォルニアへ、北米大陸をヒッチハイクなんかで横断する話です。
明確な一貫したストーリーがあるわけじゃなくて、とにかく旅の話。
最初は親友のディーンを追いかける形で旅に出ます。
この一冊の中でサルは何度かニューヨークとカリフォルニアを行き来するんですが、その中で重要な人物がディーン。
このディーンもなかなかぶっ飛んだやつで、東と西で恋人がいるんですね。しかも、どっちも本気。
まあぶっ飛んでるといえば内容全部がぶっ飛んでるんですが……
まず人の名前が多すぎる!!
ヒッチハイク中にいろんな人と会うもんだから、次から次へと新しい名前が出てきてめちゃくちゃ困惑します。
え、ダンって誰?突然出てきたけど?なんかいつのまにか同じ車に乗ってるけど…誰!?
なんてことを繰り返しているうちに気にならなくなりました笑
あとはオーキーって誰だって思ってたらオクラホマの人のことをオーキーって呼ぶんだったり。
とにかく人の名前にしょっちゅう振り回されます。
それに、車は基本的に120キロくらいで飛ばしてます。
アメリカの法定速度ってどれくらいなんだろう……
とりあえずそれくらいは標準で、特にディーンとかはなんなら200キロくらいでぶっ飛ばしてた気がします。
あとは友達の家でどんちゃん騒ぎをして家の中をめっちゃくちゃにしたり、いろんな街に出るたびにナンパしたり。
終始酔っ払ってるみたいなテンションで進みます。
ていうか英米文学って改行が日本のと比べると全然ないですよね。
次から次へと文が続く上に、この本は内容も怒涛なので、余計にすごい。
多分日本の作家さんが同じ内容の本を書いたら分量的に1.5倍くらいにはなると思います。
あんまり見た目としての美しさ、とかは求めていないのかな…もしくはそのへんのセンスが全然違うのかもしれないですが。
なんか脈絡なく色々書いてしまいましたが、要は脈絡ないのがこの本だってことかもしれません。
めちゃくちゃ面白くはあるんですが。
なんて言うか、不良に憧れる、じゃないですが、痺れるようなかっこよさみたいなのがあります。
多分細かい内容は綺麗に忘れると思いますが(人の名前とか)、このかっこよさと、カオスと、ぶっ飛んだ雰囲気自体は忘れられないだろうなあ、と思う本でした。