あおい本棚

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『トム・ソーヤーの冒険』 マーク・トウェイン/柴田元幸(訳)

2021/11/23

トム・ソーヤーの冒険
マーク・トウェイン/柴田元幸(訳)
分類: 933


言わずと知れた有名な文学作品。初めて読みました。


ミシシッピ川のほとりの町に、ポリー伯母さん、弟のシド、従姉妹のメアリと共に住むトムが、町で繰り広げる冒険や生活などを概ね平和的に描く話です。

トムは学校もサボって遊んでばかり。同じように学校に行かずふらふらしている親友のハックルベリー・フィンや、ジョー・ハーパーと共に川を渡って無人島へいったり、不思議な呪いのために夜の森に忍び込んだりします。


ある日トムは見慣れないかわいい女の子を見つけて、後日その子、ベッキーが学校に転校してきます。
トムは早速彼女の気を引こうとして、最終的にベッキーとこっそり会う約束までします。
そしてなんと!そこで婚約まで申し込むんです。

最近の子どもはませてるとか言いますが、この時代からもうすでに…って感じですね。もちろん深い意味は分かってないんだと思いますが。

そしてここでトムは痛恨のミスをしてしまいます。
トムはすでにエイミーという女の子と付き合っていて、その子とも婚約をしていました。そしてそのことをうっかりベッキーに言ってしまうんです。
もちろんベッキーは怒って出ていきますが、トムはその理由がよくわからず混乱します。

いやいや、さすがに、「エイミーとも(婚約を)やったけどそんな難しいことじゃなかったよ」みたいなことを言われたら怒るよ。
しかもトムは自分がこんなにしてあげてるのに、とか思ってるんですよ。そりゃあ振られるよ!


そしてエイミーと喧嘩別れをしたあとのトムの心情がちょっと面白い。
この世の終わりみたいなモノローグで、トムは学校を後にします。自分がこんなに傷ついていても世界は変わらないということを感じてさらに落ち込むんですね。

たまに思うんですが、翻訳っていうのもあるかもしれないですけど、海外の、特に古い作品とかってまるで劇の脚本読んでるみたいに思う時があります。
特に心情のモノローグとか。大袈裟っていうか感情的っていうか。


まあそんな感じで日々、トムはいろんな冒険とドラマに囲まれています。

途中、夜の森の中で殺人を目撃してしまうことから、さらなる事件に巻き込まれていきます。




だいぶ昔のだし読みにくいかなとも思ったけど、普通に面白かったです。
いなくなって戻ってこないトムたち3人の子どもが死んでしまったと思った町のみんながお葬式をやるところなんて、ただ3人が無人島に行ってるだけだと分かってると笑えてしまいます。

まあ、最後にトムは本当に遭難してしまうんですが……ここではベッキーとの仲にも注目です。